【藤田光里の魅せるゴルフ】(7)「球を打つ」のではなく「砂をたたく」


 バンカーショットを苦手としているアマチュアは多いが、藤田光里はニッコリ笑って言う。

 「私はグリーンを外した時、ラフよりバンカーにボールが入った方がいいですね。実はバンカーショットはそれほど難しくないですよ」

 バンカー苦手克服が今回のテーマだ。

 「私はバンカーではボールを打つというよりも砂をたたくという意識です。ジュニア時代、ずっと続けていた練習法があります。砂に線を引いて、その上をサンドウエッジでたたきます。20回くらい連続でやります。実際のバンカーショットではボールの約5センチ後ろに練習の時の線があるとイメージします。そして、その線上の砂をたたくだけ。一度、試してみてください。少なくともバンカーから脱出できると思います」

 バンカーを併設した練習場は少ない。多くのアマチュアが持つ苦手意識はバンカーに慣れていないことが大きな要因。バンカーの練習場があるコースでプレーする時は早めに行って光里練習法にチャレンジだ。バンカーショット上達のコツは“習うより慣れろ”だ。

 「後はフィニッシュを気をつけてください。グリーン周りのアプローチみたいに左肘を抜かないようにすることです。左肘を抜くとヘッドスピードが落ちて砂の抵抗に負けてしまいます。左肘を抜かずに振り切る。これが大事だと思います」

 距離感はどのように出せばいい?

 「クラブフェースとスタンスの開き具合で調整します。例えば、私の場合、スクエアから少しだけ開いた時は25ヤード、思い切り開いた時は5ヤードになります。開き具合以外は何も変えません。シンプルに考えるようにしています」(取材、構成・竹内 達朗)

 ◆藤田 光里(ふじた・ひかり)1994年9月26日、札幌市生まれ。19歳。シングルハンデの父・孝幸さん(61)の影響で3歳からゴルフを始める。札幌市立西岡中3年から北海道女子アマ5連覇。昨年3月、飛鳥未来高卒業。同年8月、プロテストに一発合格。同年12月に新人戦加賀電子カップ優勝、さらにツアー出場権を争う最終予選会で1位となり、今季からツアー本格参戦。家族は父、母・美香さん(45)、妹・美里さん(18)、弟・亜久里君(16)。165センチ、56キロ。

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