【藤田光里の魅せるゴルフ】(2)ドライバーの練習「軟らかシャフトで何度も素振り」


270ヤードの飛距離を誇る藤田光里のドライバーショットの秘密は、地味な素振りにある。

「素振り専用の練習器具を使っています。小学校1年生の時から、もう13年も同じ物です。グリップだけ取り換えて、ずっと大切に使っています。私は生まれも育ちも札幌。冬の間、コースはもちろん、練習場もクローズになることがあります。ボールを打てないので、ジュニア時代は一日1000回以上、素振りをしていました」

ムチのようにしなる軟らかいシャフトが特徴の練習器具。その最大の利点はヘッドが走る感覚を身につけられることだ。

「この素振りを続けることでヘッドスピードが上がりました。今は(秒速)44~45メートルです。手先ではなく体全体でスイングするイメージを持てるようになります」

トッププロとなった今もツアーに携行している。ラウンド終了後、練習の最後に振ることがポイントだ。

「試合前や練習前には絶対に振りません。その後に普通のシャフトで振るとスイングのイメージが変わってしまうので。練習の最後に100回、これを振ることで、スイングアークが大きくなり、スイングプレーンが正しい位置に戻ってきます。調子が悪く、スイングが崩れてしまっているときこそ、この素振りを大事にしています」(取材、構成・竹内 達朗)

◆藤田光里が愛用している素振り用練習器具 シャフトがムチのように軟らかい練習器具は複数のメーカーから市販されている。リョーマゴルフの「スイングプロ」が売れ筋で、価格は1万円前後。競技の場合、練習器具をラウンド中に使用すると、ゴルフ規則14―3の違反で失格となるので要注意。

◆藤田 光里(ふじた・ひかり)1994年9月26日、札幌市生まれ。19歳。ハンディキャップシングルの父・孝幸さん(61)の影響で3歳からゴルフを始める。札幌市立西岡中3年から北海道女子アマ5連覇。昨年3月、飛鳥未来高卒業。同年8月のプロテストに6位で一発合格。同年12月には新人戦加賀電子カップ優勝。さらにツアー出場権を争う最終予選会で1位となり、今季からツアーに本格参戦。165センチ、56キロ。家族は父、母・美香さん(45)、妹・美里さん(18)、弟・亜久里君(16)。

〈1〉シャフトが軟らかい素振り用の練習器具を振り切ることでヘッドスピードがアップする。〈2〉トップと〈3〉フィニッシュ。手先ではなく体全体で振り切るイメージが身につく

最新のカテゴリー記事