フルショットできない距離、いわゆるコントロールショットは難しい。
「私は大の苦手です」
藤田光里が苦笑いで話すほど難解なコントロールショットが今回のテーマだ。
「難しいショットを避けるために、まず、コースマネジメントが重要になります。私のクラブセッティングで(パターを除いた)一番短いクラブの56度のウエッジのフルショットは85ヤード。だから、85ヤード以下の距離を残さないようにしています。アマチュアの方は少しでもグリーンに近づけようとして、パー5の第3打に50ヤードなどの中途半端な距離を残してしまうことが多い。それよりも100ヤードを残して、第3打をピッチングウエッジやアプローチウエッジでフルショットをした方がいいでしょう。それに、第3打に100ヤードを残そうと考えれば第2打で無理をする必要がなくなり、スコアも良くなると思います」
なるほど。それでも、中途半端な距離が残ってしまった時は?
「私は“感じ”を出そうとして、ヘッドスピードを調整するとザックリなどの大きなミスをしてしまうことが多いので、振り幅を決めてクラブをしっかりと振り切るようにしています」
具体的には?
「ボールの位置が12時、頭の上を6時として、下向きにした時計をイメージします。〈1〉トップが3時、フィニッシュが9時〈2〉トップが2時、フィニッシュが8時〈3〉トップが1時、フィニッシュが7時。3つの基準を持つようにしています。私の場合、56度のウエッジで〈1〉なら50ヤード、〈3〉なら20ヤードになります。もちろん、風やライなどで距離は変わりますから、そのような要素を計算した上でクラブと振り幅を決めます。そして、一度、決めたら後は迷わずにクラブを振り切ることだけに集中します」(取材、構成・竹内 達朗)
◆藤田 光里(ふじた・ひかり)1994年9月26日、札幌市生まれ。19歳。ハンデシングルの父・孝幸さん(61)の影響で3歳からゴルフを始める。札幌市立西岡中3年から北海道女子アマ5連覇。昨年3月、飛鳥未来高卒業。同年8月、プロテストに一発合格。同年12月に新人戦加賀電子カップ優勝、さらにツアー出場権を争う最終予選会で1位となり、今季からツアー本格参戦。家族は父、母・美香さん(45)、妹・美里さん(18)、弟・亜久里君(16)。165センチ、56キロ。