男子ゴルフ、国内開幕9月以降も…女子に続き20―21年シーズン統合決定


臨時理事会に出席した青木功会長

臨時理事会に出席した青木功会長

 日本ゴルフツアー機構(JGTO)は17日、都内で臨時理事会を開き、新型コロナウイルスの影響で4月以降、日本男子プロゴルフツアーは10大会が中止・延期となっているため、20―21年を統一シーズンとして開催することを決めた。今年は1973年のツアー制施行後初めて、賞金王が誕生しない年になる。シード権など出場資格は来年に持ち越されるが、日本男子ツアーは賞金シード選手の43%が外国人選手。新型コロナによる入国制限緩和が、今後のツアー開催に向けた最大の課題となり、9月以降再開の可能性も出てきている。

 日本男子ツアーが1月以来の再開へ向け、第一歩を踏み出した。JGTOは20―21年シーズンを統一で行い、2年間で賞金王を決める方式を発表。日本女子ツアーと同様の対応を決めた。理事会後、リモート会見に出席した青木功会長(77)は、「早く(試合を)やりたいと思っているんですけども、もろもろが解除されないと前に進めない」と、苦しい現状を明かした。

 世界の主要ツアーは韓国女子が5月、米男子は6月から再開。米女子も7月末の再開が発表され、国内女子も今月25日開幕のアース・モンダミンカップ(千葉)で開幕予定だ。国内男子は、最速で8月の長嶋茂雄招待セガサミーカップ(20~23日、北海道・ザ・ノースカントリーGC)での再開を見込む。ただし、複数のツアー関係者によると、国内開幕戦は9月以降にずれ込む可能性も出ている。

 再開を遅らせる最大の要因は、新型コロナによる入国制限だ。国内女子の賞金シード選手は50人中、外国人選手は12人。国内男子は賞金シード65人中、S・ノリス(南アフリカ)、崔虎星(韓国)ら28人と43%を占める。多くの日本人選手からも、「入国制限下でのツアー開催は不公平」との声も出ているという。JGTOによると、外務省や法務省とも入国制限緩和について協議や申し入れは重ねている。田島創志・競技担当理事(43)はこの日、「ある程度のメンバーが入国できる段階で試合を行う」と明言。複数の関係者によれば、28人の外国人シード選手のうち80%が入国できる段階での再開を目安にしている。

 20年の国内男子は全25戦を予定し、1月にSMBCシンガポールオープンで開幕。新型コロナが感染拡大した4月以降は10戦が中止・延期に。全37戦の国内女子と比べ、2年間を統合しても試合数の大幅増は難しいと予想されている。日本男子はコロナ予防に加え、しばらくは忍耐の時期となりそうだ。(榎本 友一)

 ◆臨時理事会での他の主な審議&決定事項

 ▼大会開催前の入場者へのPCR検査導入 7月9、10日にツアー外のエキシビション大会として、無観客で行うゴルフパートナー・プロアマ(茨城・取手国際GC)には100選手が出場予定。同大会からPCR検査を実施する。

 ▼来季出場権をかけた特別QT(予選会)の実施 通常のQTは行わず、10人の新ツアーメンバーを増やすための特別QTを今年10月後半以降に実施。

 ▼外国人選手への保障制度 新型コロナウイルスの影響で、日本に入国できない外国人選手への保障制度の作成検討も審議。

女子に続き20―21

シーズン統合決定

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