
優勝したアマチュアの杉浦悠太(カメラ・渡辺 了文)
◆男子プロゴルフツアー ダンロップフェニックス 最終日(19日、宮崎・フェニックスCC=7042ヤード、パー71)
4打差の単独首位から出た杉浦悠太(日大4年)が4バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの71で回り、通算12アンダーで1973年のツアー制施行後7人目のアマチュア優勝を果たした。松山英樹(LEXUS)、ウィンダム・クラーク、ブルックス・ケプカ(ともに米国)の海外メジャー覇者3人や、日本のトッププロを抑えて快挙を達成した。優勝インタビューでは「プロ宣言したい」とプロ転向を表明した。
第1ラウンドで64をマークし、首位の松山に1打差2位の好発進。強風の中の第2、第3ラウンドでもアンダーパーで回り、徐々にリードを広げた。ミスでスコアを落としても、すぐに切り替え、立て直す精神力と、風の影響を受けにくい低い球を操り、頂点に上り詰めた。今年9月には下部ツアー「ダンロップフェニックスチャレンジinふくしま」で優勝し、今大会の出場権を手にしており、レギュラーツアーでも実力を発揮した。
17年には「石川遼インビテーショナル ジャパンジュニアマスターズ」の初代王者に輝いた。史上最年少15歳245日でアマ優勝を達成している石川遼(カシオ)は「当時、全く曲がらない子だったが、そのまま飛距離が出ているのを感じた。もっと期待できる選手」とべた褒め。昨年、アマでツアー2勝を挙げ、1学年下でともに全日本ナショナルチームとして活動した蟬川泰果(フリー)は「本当にうまくて認めている存在」と舌を巻くほどの逸材だ。
10月の「アジア太平洋アマチュア選手権(豪州)」で優勝し、海外メジャー、マスターズの出場を目標に、プロ転向を1年遅らせた。今大会開幕前は28日からの3次予選会に参加予定で、アマチュアとして臨む最後の試合だった。第3ラウンド後には「勝つチャンスが来た。掴みたい」と話しており、手にしたビッグタイトルに万感の思いがあふれた。
◆日本男子ツアーのアマチュア優勝
▽1980年、倉本昌弘、中四国オープン
▽2007年、石川遼、マンシングウェアKSBカップ
▽2011年、松山英樹、三井住友VISA太平洋マスターズ
▽2019年、金谷拓実、三井住友VISA太平洋マスターズ
▽2021年、中島啓太、パナソニックオープン、
▽2022年、蝉川泰果、パナソニックオープン、日本オープン
▽2023年、杉浦悠太、ダンロップフェニックス
◆杉浦 悠太(すぎうら・ゆうた)2001年9月12日、愛知・高浜市生まれ。22歳。4歳から父の影響でゴルフを始める。小学生時代は野球もプレーした。強豪の福井工大福井高で腕を磨き、18年の日本ジュニアなどで優勝。19年、日本ゴルフ協会ナショナルチームに初選出。20年、日大国際関係学部に入学。得意クラブはウェッジ。ドライバーの平均飛距離は290ヤード。家族は両親と妹。172センチ、74キロ。