【古賀敬之のゴルフあれこれ】  第五回 「ピンハイ」はカップの上や奥の部分を意味する言葉ではない


 これを勘違いしている人は実に多い。ピンハイというのを「カップ(ホール)の奥」、つまり、「ピンより上」の意味で使っているケースだ。しかし、実際にピンハイというのは、左右にズレているが、カップと等距離の状態をいう。つまり、ボールがカップのほぼ真横に止まった場合に使われる言葉。「距離はピッタリ」という、どちらかといえば、いい意味合いのもので、決して、当たりが良すぎてカップ(ピン)の「上に付けてしまった」わけではないので要注意だ。英語での正しい表現は「HOLE-HIGH(ホールと同じ高さ)」と言う。そして、このピンハイという言葉自体が和製英語だということさえあまり知られていないのは困ったもの。「ピンハイ5メートルからねじ込んだ」というのは、横からのラインであって、決してグリーン奥からのものではない。テレビ解説でも時折耳にするが、カップの奥から入れたパットにこれを使うのは誤用。

 

 ◇古賀 敬之(こが・たかゆき)
1975年、報知新聞社入社。運動部、野球部、出版部などに所属。運動部ではゴルフとウィンタースポーツを中心に取材。マスターズをはじめ男女、シニアの8大メジャーを取材。冬は、日本がノルディック複合の金メダルを獲得したリレハンメル五輪を取材した。出版部では「報知高校野球」「報知グラフ」編集長などを歴任。北海道生まれ、中央大卒。

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