前回のレッスンで、7つのポジションにおける体の動き方を、各3通りに分類した。aはフック、bはストレート、cはスライスが出る動き方を示している。記者はどうか。「残念ながらaとcが混在していますね。aが多いので基本的にはフックでしょうが、時々、ひどいスライスが出ませんか?」。岩垣プロにかかると、構えを見てもらっただけで、こちらの悩みがすべてばれてしまう。記者は最もスコアになりにくい「ac混在型」だった。
こういうタイプは、a(またはc)を、その逆(またはb)へ直していく。その場合、直しやすいのは足元だという。「スタンスや爪先、体重のかけ方から見ていきます。スイング軌道やグリップは最後です」。長年、慣れ親しんだグリップを直すのは簡単ではない。確かに足の構え方なら、すぐに直せそうだ。しかし、記者の場合はグリップだけがcで、ほかはすべてaかb。グリップを変えるのが手っ取り早いという。「違和感があるでしょうが、我慢して練習してください」。この年でグリップを直すとは。えらいことになった。
スイングの型が分かったら、次にスイングの軌道と合っているかを見る必要がある。体重移動で打っている人は爪先体重のはずで、かかと体重の人は、回転で打っているはずだ。これが逆では、そもそもうまくスイングできない。爪先体重の人はインパクトゾーンで蹴る動きになり、スイングの軌道はインサイドアウトになる。動きとしては、プッシュ(腕を押す意識)だ。かかと体重はアウトサイドインで、意識はプル(腕を引く動き)になる。
スイングの軌道のほかに、ボールの捉え方(アッパーブローかダウンブローか)の違いもあるが、説明が長くなるので次回以降にしたい。
NP理論ではまず、自分のスイングの各ポジションにおける動きを理解することが大事になる。その上で、組み合わせを整えて、球筋をそろえる練習を行う。「自身の形とは対極にある形で練習することで、一方に歪んでいく動きや体をリセットする効果もあります。まず、自分のスイングの形、傾向を知ることです」と岩垣プロ。奥が深いNP理論はいずれまた、特集します。=終わり=(取材、構成・鈴木 憲夫)
◆岩垣 貴栄(いわがき・たかまさ)1979年10月1日、奈良県生まれ。明大理工学部卒業。PGAティーチングプロA級。ジュニア指導員。指導の拠点は大阪・奈良(阪奈カントリークラブ、スポーツヒルズ大阪など)。レッスンのお問い合わせはスポーツヒルズ大阪TEL072・869・0171。