松山英樹の優勝は5分5分 ソニー・オープン・イン・ハワイ 武藤のコラム


 米ツアー、2015年開幕第2戦「ソニー・オープン・イン・ハワイ」は16日からホノルル郊外のワイアラエCCで始まる。開幕戦の「ヒュンダイ・ツアー・チャンピオンシップ」を3位と好スタートを切った松山英樹に期待がかかるが、優勝の確率は5分5分、と見る。ハワイは1983年、青木功が最終日の18番で逆転イーグルを決め日本人男子の米ツアー初タイトルとなった歴史の地。好調な松山にハワイ2勝目となれば、日本ゴルフ界に勢いがつく。

 優勝の確率は5割と言い切る根拠は先週、もったいないゴルフで運気を後退させたからだ。死んだ子のトシを数えるな、というが先週は松山の勝ちパターンだった。飛距離、アイアンの精度、バーディー続出のロースコアコース大会なら行けると思っていたが、その通りになった。最終日、パットが湿りツメの甘さが出た。松山は悔しくて眠れなかったことだろう。

 ロースコア大会は今週も同じ。昨年優勝のジミー・ウオーカー(米)が7044ヤード、パー70で17アンダー。ここ数年、1日4アンダーが優勝争いのメドだ。しかし、このウオーカーはハワイに強い。先週は最終ホールで短いバーディーパットを外しプレーオフに持ち込まれて若いパトリック・リードに敗れたが、ああいうドローヒッター、低い弾道で風の下をかいくぐっていくタイプは風に強い。今週も大会の中心だ。
 松山だが、ワイアラエはどうだろう。青木が優勝した時はパー72で20アンダー。青木は最終日の18番を入れて4日間で3イーグルという派手な内容だった。しかし、ゴルフは緻密で攻略性が高かった。力で行くより攻略ポイントに丹念にボールを運びながら持ち前のパットで勝負しガンガン放り込んでいった。松山にそれができるか。
先週の最終日は30パット。いくらいいショットをしてもパットが入らないとゴルフはだめだ。そして優勝争いでこの体験をすると、後の試合に響く。悪かった思いやイラつきが緒を引いてトラウマと、なる。松山のワイアラエ。もう一度優勝争い、そして最終日、グリーン上が勝負となる。

ゴルフネットワークの専属解説者をつとめるゴルフジャーナリスト武藤一彦が、松山、石川の応援、チャンピオンツアー、女子ツアーの話題を随時掲載します、お楽しみに。

武藤 一彦(むとう・かずひこ)
ゴルフジャーナリスト。コラムニスト、テレビ解説者。報知新聞には1964年入社、運動部に所属、東京オリンピックはじめボクシング、ゴルフ、陸上担当。編集委員、専属評論家も務めた、入社以来50年、原稿掲載の”記録”を現在、更新中。
日本ゴルフ協会広報参与、日本プロゴルフ協会理事を経て日本プロゴルフ殿堂表彰選考委員、日本ゴルフ振興協会広報メディア委員、夏泊ゴルフリンクス理事を務める。

ゴルフは4メジャーのほか、ワールドカップなど取材、全英オープンは1975年から取材し日本人記者のパイオニア的存在。青木功のハワイアンオープン優勝にも立ち会った。1939年生まれ。東京都出身、立大出。

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