【古賀敬之のゴルフあれこれ】  第七回 「オーバードライブ」は能力以上に酷使することで「越す」ことではない


 この言葉は「純粋な英語ではない」とかなり多くの人が知っているようだ。同伴者のドライバーショットの飛距離を上回った、つまり相手より飛んだ時に使われる「オーバードライブした」というのは、完全なる和製英語で、相手のドライバーショットより遠くに飛んだ場合、正しくは「アウト・ドライブ」という。本来の「オーバードライブ」という言葉は、人馬や家畜、機械などを能力以上に負荷をかけて酷使することをいうもの。決して相手のドライバーショットを上回った場合に使うものではない。日本人の感覚は「オーバー」という言葉には「上回る」というニュアンスを感じ、「アウト」には「外側」とか「ダメ」いう語感があるため、このような使い方が定着したのだろうと思われる。

 

 ◇古賀 敬之(こが・たかゆき)
1975年、報知新聞社入社。運動部、野球部、出版部などに所属。運動部ではゴルフとウィンタースポーツを中心に取材。マスターズをはじめ男女、シニアの8大メジャーを取材。冬は、日本がノルディック複合の金メダルを獲得したリレハンメル五輪を取材した。出版部では「報知高校野球」「報知グラフ」編集長などを歴任。北海道生まれ、中央大卒。

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