【古賀敬之のゴルフあれこれ】  ゴルフにまつわる〝面白話〟第2弾 日本でただ1つの「ゴルフ場前駅」


 鉄道の駅名で唯一ゴルフ場の名前を冠しているのが、神戸電鉄・粟生線(あおせん)にある「広野ゴルフ場前駅」(兵庫県三木市)だ。日本には、モノレールなどを含めた鉄道の駅の数はおよそ9500駅あるが、「ゴルフ場前」はここだけ。かつて、西日本鉄道・宮地岳線の駅にも「古賀ゴルフ場前駅」(福岡県)というのがあったが、区間廃止によって廃駅となって以来、〝孤塁〟を守っている。駅は1936年(昭和11年)12月28日の開業だ。

 駅から徒歩1分のところにある広野ゴルフ場は、正式には広野ゴルフ倶楽部といい、名手チャールズ・ヒュー・アリソン氏の設計で、1932年(昭和7年)に開場した。米ゴルフダイジェスト誌や米ゴルフマガジン誌による「世界のコース・ランキング」では、日本のゴルフ場の中で常にトップにランクされるほど、海外でも高い評価を受けている。日本プロ選手権3度、日本オープンも5度開催されている。また、敷地内には日本ゴルフ協会(JGA)によって設立された「ゴルフミュージアム」が併設されている。

 粟生線は、神戸市北区にある鈴蘭台駅から小野市の粟生駅までを結ぶ鉄道路線で、鈴蘭台駅から4つ先の木津駅間の急峻な勾配を越えるもので、郊外の住宅地と神戸市中心部を結ぶ通勤・通学路線。広野ゴルフ場前駅は鈴蘭台駅から9駅目の無人駅。

 ちなみに、ゴルフ場前駅の2つ先には「恵比須駅(無人駅)」というのがあるが、山手線の「恵比寿駅」とは「す」の字が違う。

 

 ◇古賀 敬之(こが・たかゆき)
1975年、報知新聞社入社。運動部、野球部、出版部などに所属。運動部ではゴルフとウィンタースポーツを中心に取材。マスターズをはじめ男女、シニアの8大メジャーを取材。冬は、日本がノルディック複合の金メダルを獲得したリレハンメル五輪を取材した。出版部では「報知高校野球」「報知グラフ」編集長などを歴任。北海道生まれ、中央大卒。

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