【古賀敬之のゴルフあれこれ】  第十八回 逆らうから「アゲンスト」、援助してくれるから「フォロー」ではない


 向かい風は「アゲインスト・ウインド」、追い風は「フォロー・ウインド」と勘違いしているための用語。英語の「アゲインスト(against)」は「○○に対して」とか「○○に逆らって」という意味であり、「真っ向からやってくる」ことではない。また、「follow(フォロー)」にしても、「足りない所、仕損じた所を後から補うこと」で「あいつをフォローしてやろう…」などという時に使うもので、「後ろから来る」ものではない。

 アゲインストは「head wind(ヘッド・ウインド)」「into the wind(インツウ・ザ・ウインド)」が英語圏では一般的に使われている。また、フォローも正しい英語では「tail wind(テイル・ウインド)」「down wind(ダウン・ウインド)」という。

 「逆らって」打つからアゲインスト、打球を「後ろから後押ししてくれる」からフォロー。言い得て妙な和製ゴルフ用語だ。

 ところで、向かい風、追い風は〝和製ゴルフ用語〟として行き渡っているが、ゴルフの時に最も影響のある「横風」に相当する和製英語が無いのは面白い。正しい英語では「cross wind(クロス・ウインド)」、もしくは、文字通り「side wind(サイド・ウインド)」というのだが…。

 

 ◇古賀 敬之(こが・たかゆき)
1975年、報知新聞社入社。運動部、野球部、出版部などに所属。運動部ではゴルフとウィンタースポーツを中心に取材。マスターズをはじめ男女、シニアの8大メジャーを取材。冬は、日本がノルディック複合の金メダルを獲得したリレハンメル五輪を取材した。出版部では「報知高校野球」「報知グラフ」編集長などを歴任。北海道生まれ、中央大卒。

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