今は我慢のしどころ 松山3年ぶり6勝目、もうすぐだ 武藤一彦のコラム


 米男子ゴルフの「ジェネシス招待」は16日、ロサンゼルス郊外のリビエラCC(パー71)で最終日。11位から出た松山英樹は5バーディー、3ボギーの69、通算8アンダーの5位と健闘した。先日首位のアダム・スコット(豪州)が17番のバーディーで抜け出し11アンダー、2位に2打差で優勝、米ツアー3年ぶり14勝目を挙げた。83勝のツアー最多記録の期待されたタイガー・ウッズは11オーバーの68位に終わった。

 

 首位に4打差スタートの松山は11番、パー5のバーディーで8アンダー。14番で1メートルのパーパットを外したが、直後の15番、10メートルを決め再び8アンダーとしぶとく粘った。強風と堅く速いグリーンに、4打差をつけ首位のスコット、マキロイ(英・アイルランド)、ク―チャー(米)がアウトでスコアを崩し2打差と追い上げた。だが、勝機が来てからのショートパットに苦しみ6番で再び2メートル弱を外した。今季、ベスト5入りは、日本開催の「ZOZOチャンピオンシップ」の2位、「CJカップ」3位に次いで3回目。調子は徐々に上がって3年ぶり優勝に向け期待が高まるが、パーパットのミスは致命傷だった。

 

 予選カットぎりぎりの第2日、18番でグリーンオーバーか、と思われたショットが旗に巻き付いて真下に止まるバーディーで予選通過という“つき”も生かせなかった。
 「ドライバーもよくなっているしアイアンの精度をもう少し高めたい。ピンタイプのパターを3日目のスタート直前にマレットタイプに代え3日目の64につなげた。こういう選択肢もトーナメントではあるんだ、ということを知ったのは収穫だった」と明るい。3年ぶり6度目の優勝に向け、調子は間違いなく上がった。運も向いている。今こそ我慢のしどころだ。

 

武藤 一彦(むとう・かずひこ)
ゴルフジャーナリスト。コラムニスト、テレビ解説者。報知新聞には1964年入社、運動部に所属、東京オリンピックはじめボクシング、ゴルフ、陸上担当。編集委員、専属評論家も務めた、入社以来50年、原稿掲載の”記録”を現在、更新中。
日本ゴルフ協会広報参与、日本プロゴルフ協会理事を経て日本プロゴルフ殿堂表彰選考委員、日本ゴルフ振興協会広報メディア委員、夏泊ゴルフリンクス理事を務める。

ゴルフは4メジャーのほか、ワールドカップなど取材、全英オープンは1975年から取材し日本人記者のパイオニア的存在。青木功のハワイアンオープン優勝にも立ち会った。1939年生まれ。東京都出身、立大出。

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