松山マスターズ優勝 武藤一彦のコラム


 松山英樹(29)が11日、マスターズトーナメントでメジャー初制覇。米ジョージア州のオーガスタナショナルGCで行われた最終日、2位に4打差の首位でスタートした松山は1オーバー73、通算10アンダー、2位に1打差をつけ逃切り優勝、悲願のメジャー優勝を果たした。
 前半を3バーディー、1ボギーで折り返し迎えた15番、ロングホールで2オンを狙った果敢なショットがオーバーし奥のウオーターハザードに飛び込むボギーで通算12アンダー、2位の同組のショーフェレ(米)に2打差。さらに16番もボギーとしザラトリス(米)にも2打差とされたが、1打差で逃げ切った。2位は24歳の初出場のザラトリス。3位には15年チャンピオンのスピース(米)が入った。

 

 2017年の世界選手権シリーズ、ブリヂストン招待以来となるPGAツアー6勝目。マスターズは11年アマでローアマを獲得、プロで優勝する6人目となる快挙となった。また、日本人男子プレーヤーのメジャー大会優勝は今回が初。マスターズでの日本人選手はこれまで32人が挑戦したが、伊沢利光(01年)、片山晋呉(09年)の4位が最高だった。

 

 「朝から緊張。そして最後まで緊張しっぱなしだった。勝ったことでこれからは僕自身も、周りの日本人プレーヤーも変わってくると思う。今後もいいプレーができるように一緒に頑張っていきたい」18番グリーンの表彰式で昨年9月のチャンピオン、世界ランキング首位のダスティン・ジョンソン(米)から緑のチャンピオンブレザーを着せてもらうと感極まり、目元がうるんだ。勝利のキーはどこだったか?と聞かれると「18番のティーショットがフェアウエーに行ったこと」と答え照れた。大量リードに守られた余裕の勝利に見えたが、夢にまで見たメジャー優勝。プレッシャーは想像を超えたものだったのだろう。

 

 メジャー優勝を夢見て2014年から米ツアーが主戦場。同年のメモリアルトーナメントで初優勝、17年には5勝を上げたが、その後、3年8か月にわたり優勝はなく、その間は世界ランクも下降、今大会前は25位だったが再び情緒に移った。今回の優勝でマスターズは生涯出権を獲得、他のメジャーの出場権も5年間保証されるなどツアーの中心選手として数々の特典が与えられ、さらなる活躍の場が広がった。
 この2月に29歳になったばかり。16年のリオデジャネイロ五輪では出場権を持ちながら、メジャー優勝にこだわり、金メダルのチャンスは放棄して五輪の出場を断念したが、自国開催に向けた今回は晴れ姿を披露することになりそう。
 目標とするメジャーの3大会もひかえているので悩むところだが、ゴルフ会場はジュニア時代の09年に優勝した埼玉・霞が関CC東コースが舞台。この日、グリーンジャケットにふさわしい、黄色のシャツを着たことを表彰式で明かし、その用意周到ぶりが笑いを誘ったが、東京五輪・パラリンピック大会では金メダリストを目指し、その暁には、マスターズのグリーンジャケットを着て表彰台に上がってほしいものだ。メダルも一層、映えると思うが、いかがなものだろう。

 

武藤 一彦(むとう・かずひこ)
ゴルフジャーナリスト。コラムニスト、テレビ解説者。報知新聞には1964年入社、運動部に所属、東京オリンピックはじめボクシング、ゴルフ、陸上担当。編集委員、専属評論家も務めた、入社以来50年、原稿掲載の”記録”を現在、更新中。
日本ゴルフ協会広報参与、日本プロゴルフ協会理事を経て日本プロゴルフ殿堂表彰選考委員、日本ゴルフ振興協会広報メディア委員、夏泊ゴルフリンクス理事を務める。

ゴルフは4メジャーのほか、ワールドカップなど取材、全英オープンは1975年から取材し日本人記者のパイオニア的存在。青木功のハワイアンオープン優勝にも立ち会った。1939年生まれ。東京都出身、立大出。

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