記者は３月に静岡支局から運動第二部に異動、ゴルフ担当に就任した。４月２日～５日に静岡・葛城ＧＣで行われた「ヤマハレディース」で“ゴルフ記者デビュー”。そこで自身２度目の優勝を飾ったのが渡辺彩香だ。
記者の出身地の伊東市のお隣・熱海市の生まれ。「ジモトーク」をさせてもらった。実は「静岡県出身選手が、静岡県開催の大会で優勝する」のは史上初のできごと。優勝会見でそのことを問うと、「これまで地元ではいい成績を残せず気持ちばかりが焦っていた。成長できたかなと思います」と照れくさそうに話してくれた。
ドライバー平均２６０ヤードを超す屈指の飛ばし屋は「静岡愛」にあふれている。高校時代は熱海から約１４０キロ離れた埼玉栄高まで新幹線通学。現在も、たとえ２週続けて同じ地方で試合があっても合間には帰静するという。
先日のフジサンケイレディースは「自宅から車で３、４０分」の川奈で行われた。両親や妹の祐奈さん、親族ら大勢の応援団の前でプレー。ラウンド中は祖母特製の炊き込みご飯のおにぎりを口にしながら、豪快なショットを連発していた。ヤマハ優勝時に副賞としてもらったグランドピアノは、母校の小学校か中学校に寄付する方向で話を進めているという。
余談だが、データベースを検索していたら、過去渡辺がアマ時代に優勝した時の原稿を記者の妻が地方版で執筆していたことを発見した。不思議な縁を感じる２１歳の、さらなる飛躍を願うばかりだ。 （武藤 瑞基）
◇武藤 瑞基（むとう・みずき）
静岡県生まれ。静岡大卒業後、２００９年に報知新聞社入社。２年目に担当したプロ野球のロッテがいきなり日本一になり、静岡支局時代は磐田がＪ２に降格するなど 嵐を呼ぶ 男。１５年からゴルフ担当。