畑岡奈紗2週連続2位に終わる 武藤一彦のコラム


 奈紗、2週連続の2位。米女子プロツアー今季第2戦「ゲインブリッジLPGA」は26日 米フロリダ州ボカ・リオGC(6701ヤード、パー72)の最終日、2打差2位スタートの畑岡奈紗(21)は17番まで首位タイと健闘したが、最後、3パットのボギーをたたき惜敗した。前日首位のマデレーネ・サグストロム(スウェーデン)が通算17アンダー、自己69戦目で初優勝。米ツアーデビュー戦の河本結(21)は3アンダー69で8位、横峯さくらは5オーバーの63位。
 なお、ツアー72勝のアニカ・ソレンスタム以来,スウェーデンのLPGA優勝は12人目。

 

 サグストロムとの最終組を二人で回るデッドヒート。畑岡はアウト3バーディーで首位浮上も、17番パー3、サグストレムのあわやホールインワンのバーディーで追いつかれ勝負は最終18番。セカンドショットを畑岡は5アイアンで7メートル奥に2オン、相手は奥に外しアプローチは2メートルショート、絶対有利の状況だった。しかし、畑岡の第1パットは1メートルオーバー。直後、サグストロムのパーパットはカップイン。堅くなったのか、畑岡の返しの、入れればプレーオフのパーパットはカップ右をすり抜けた。前週の開幕戦、「ダイヤモンドリゾーツ・チャンピオンズ」が月曜日までずれ込む7ホールに及ぶプレーオフにもつれ込んでの敗戦。復習戦だ、とだれもが心ときめかせたが、意外な結末となった。

 

 ショートパットに悩んだ時期もあり前週の敗因にもつながったが、強い芝目の難グリーンの最終日は惜しいバーディーパットは入らないが、取りこぼしはなく絶対有利の展開。だが、最終ホールでいやな流れとなり足元をすくわれた。相手が2メートルを入れた後のわずか1メートルは、有利に見えるだけにプレッシャーがかかった。パットを外し信じられないという表情だった。
 「18番で思ったパットが出来なかったが、開幕からいいスタートが切れている。ショットにさらに磨きをかけて頑張ろうと思う」健気に答えた。世界5位が、同ランク116位に敗れる。それがゴルフの怖いところだ。
 デビュー戦の初日2位と好スタートの河本は4バーディー1ボギー、堂々トップ10入りして見事だ。「初めての体験が楽しい」と生き生きしている。「ピンがあちこちに振ってあってびっくりしている。日本では体験できなかったことが新鮮だ」という。畑岡と同じ21歳。ひと足先を行く姿に勇気をもらっているのだろう。物おじする気配はない。この日、同組のシガンダにスロープレーで途中警告が入るなどトラブルがあったが、動揺しなかった。しかし、ホールアウト後、同組ということで罰金のペナルティーが科されてびっくり。次戦は2月6日から豪州で始まる「ISPS・ハンダ・ビック・オープン」。畑岡は2月20日から始まるタイの「ホンダ・LPGA・タイ」などアジア3連戦まで“充電”する。

 

武藤 一彦(むとう・かずひこ)
ゴルフジャーナリスト。コラムニスト、テレビ解説者。報知新聞には1964年入社、運動部に所属、東京オリンピックはじめボクシング、ゴルフ、陸上担当。編集委員、専属評論家も務めた、入社以来50年、原稿掲載の”記録”を現在、更新中。
日本ゴルフ協会広報参与、日本プロゴルフ協会理事を経て日本プロゴルフ殿堂表彰選考委員、日本ゴルフ振興協会広報メディア委員、夏泊ゴルフリンクス理事を務める。

ゴルフは4メジャーのほか、ワールドカップなど取材、全英オープンは1975年から取材し日本人記者のパイオニア的存在。青木功のハワイアンオープン優勝にも立ち会った。1939年生まれ。東京都出身、立大出。

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