ゴルフ報知のツアー担当記者企画がついに始動! 第1弾は今月、米ジョージア州オーガスタナショナルGCで4日間、開かれた男子ゴルフの海外メジャー初戦、マスターズの舞台裏の魅力やすごさなどを、現地を初めて訪れたゴルフ担当3年目の記者の独断と偏見で3回にわけてご紹介します。
今月4日、記者は千葉・成田空港から全日空機で片道計14時間、アトランタ空港から車で2時間かけて移動。4日夕に現地に着き、翌5日日曜日の朝からコースに入った。コースに隣接する広大な駐車場に着くなり、既に多くのパトロン(観客)でにぎわっていて驚いた。
何事か。もしや出場を直前に表明したタイガー・ウッズ(39)=米国=が練習ラウンドしているのか、と慌ててコースへ向かうと昨年、初開催されたジュニアのイベント「ドライブ・チップ&パット」が開かれていた。
ゴルフの底辺拡大を目指して全米ゴルフ協会(USGA)などが企画し、全米予選を勝ち抜いた7歳から15歳までの男女計80人が出場。ティーショットの飛距離、アプローチ、パットの3部門で総合得点を競っていた。本戦の打撃練習場と18番グリーンを使って行われたイベント。選手の家族ら大勢の観客が、将来有望なプロの卵たちに熱い拍手を送り、早くも「夢舞台」の特別な雰囲気を醸し出していた。
世界中から「名手(マスター)」たちが集うゴルフの祭典。会場のオーガスタナショナルGCは1932年、「球聖」ボビー・ジョーンズとコース設計家アリスター・マッケンジーによって開かれた。34年に「オーガスタナショナル・インビテーショナル」として第1回大会が開催され、39年に「マスターズ」へ改称された。歴代優勝者や世界ランク50位以内の選手たちなどしか出場できず、出場人数は男子の4大メジャーでは最少で66年以降は100人に満たない。
2012年にオーガスタナショナルGCは、女性会員へ門戸を開放したことで話題を呼んだ。ただ実際、女性が新緑や鮮やかな花々に覆われた「世界一美しいコース」でプレーする姿を今回のイベントで初めて見た。表彰式では、グリーンジャケットを着たバッバ・ワトソン(36)=米国=ら本大会の歴代優勝者たちがプレゼンターを務めた。入賞した女子たちは、笑顔で記念撮影におさまり、夢舞台でのプレーを満喫。それを見ていて「この舞台に立ちたい、プロやマスターズ王者を目指したい、と本気で思う子供達が今後数多く出てくるかも」とUSGAの演出のうまさに感心させられた。(ゴルフ担当・榎本 友一)
◇榎本 友一(えのもと・ともかず)
東京都生まれ。中大卒業後、サンケイスポーツ文化報道部を経て2003年に報知新聞社入社。箱根駅伝担当、北京五輪担当などを経て13年からゴルフ担当。男子ツアー初取材だった同年つるやオープンでは、尾崎将司のエージシュート&松山英樹のプロ初Vを目撃する強運男。