畑岡奈紗、米ツアー3勝目 次週のメジャー優勝へ弾みがついた 武藤一彦のコラム


 米女子プロツアー参戦の畑岡奈紗(20)が「起亜クラシック」(カリフォルニア州カールズバット・アラGC、パー72)に優勝、米ツアー3勝目を挙げた。首位から1打差、2位スタートの畑岡は4バーディーを先行する好ダッシュで波に乗り、6バーディー、1ボギーの5アンダー67、通算18アンダーで2位以下に3打差をつけ圧勝した。昨年2勝を挙げ米ツアーの中心選手に駆け上がった畑岡は、4日間大会の優勝は初、18アンダーも自己最高スコア。次週の今季初のメジャー「ANAインスピレーション」に向け大きな弾みがついた。

 

 15番のウエッジショットを1メートルにつけバーディーをとりガッツポーズ、18アンダーとしたその直後だった。16番、250ヤードのパー4のスプーンでのティーショットは強いフックがかかり左の池に打ち込んだ。油断か、はたまた優勝争いのプレッシャーか。短いワンオン狙いのパー4ホールの“わな”にはまって嫌な雰囲気が漂った。だが、直後の17番パー5、3打目を30センチにつけるバーディー、何事もなかったかのようにホールアウトした。

 

 世界の女子ゴルフ界を席巻する強い韓国の女子プロたちが、自国企業のスポンサーを意識、トップ10人中に7人がひしめく中、畑岡の大差優勝は見事だった。「(韓国の)インビーさんと同じ最終組。勝とうなどと思わず自分のゴルフをするだけと願ってやった。(優勝という)予想外のことが起こった」元賞金女王、世界ランク1位、同組のインビー朴とのラウンドは、プレッシャーがいっぱい。だが、しのぎきった自分に驚きをかくさなかった。

 

 うれしいシーズン序盤の優勝だ。持ち前のアイアンショットの切れに加えて2日目から良くなったパットが冴えた。左に曲げた“16番の大ポカ”のボギーが実に48ホールぶりのボギーだったという好調は、総合力、精神力の強さがついた証明だ。

 

 20歳といえば、前日の日本国内ツアー、「アクサレディース」(宮崎・UMKゴルフクラブ)は同年齢、20歳の河本結がツアー初優勝、4位の脇元華、6位臼井麗香も同期の同世代だ。畑岡はそんな中でのパイオニア。一足早く、米ツアー3年目と実績、経験とも1歩も2歩もリードしてたくましい。

 

 次週のメジャー、「ANAインスピレーション」はいよいよ日本人2人目のメジャータイトルがかかるが、今回の圧勝ぶりを見ると夢物語とは思えない現実味がある。
 「ドライバーも飛んでいるし今回の優勝で自分の変化を感じられた。決勝ラウンドのショットが良かったので自信になった」遠回しながら、期待感があるのだろう。「今夜中にパームスプリングスに入って明日からラウンドします」-大先輩の樋口久子の全米プロ選手権に次ぐ日本女子メジャー制覇に気力充実。期待は大きく膨らんだ。

 

武藤 一彦(むとう・かずひこ)
ゴルフジャーナリスト。コラムニスト、テレビ解説者。報知新聞には1964年入社、運動部に所属、東京オリンピックはじめボクシング、ゴルフ、陸上担当。編集委員、専属評論家も務めた、入社以来50年、原稿掲載の”記録”を現在、更新中。
日本ゴルフ協会広報参与、日本プロゴルフ協会理事を経て日本プロゴルフ殿堂表彰選考委員、日本ゴルフ振興協会広報メディア委員、夏泊ゴルフリンクス理事を務める。

ゴルフは4メジャーのほか、ワールドカップなど取材、全英オープンは1975年から取材し日本人記者のパイオニア的存在。青木功のハワイアンオープン優勝にも立ち会った。1939年生まれ。東京都出身、立大出。

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